一瞬だけの永遠
永遠を背負った貴方の前で自分との永遠を願うのは残酷だろうか。
散々喰らいついたせいで少し腫れた唇にもう一度喰らいつく。
ぎゅっと服を握っている手に力が篭って相手が眉間に皺を寄せたのが分かった。
キスで蕩けている顔の方が色気はあるがムッとしている猊下の顔は可愛いと思う。
「いい年してがっつかない。」
文句を垂れながらも俺の唇から目が離せないなんて、矛盾している。
唇に対して文句を言っているのか?
まさか、猊下のその目はもっとして、にしか見えない。
「まだ現役ですから。」
「それに、したって…息を吐く暇ぐらい…。」
唇を少しだけ触れ合わせたまま囁けば不自然に途切れ途切れの言葉が返って
性悪な俺はその途中でまた可愛い唇を食んで飲み込む。
羞恥に堅く閉ざされた目と気持ちよすぎてどうしようと今度は下がる眉。
「可愛い。」
気持ちが触れ合ったという永遠に変わらない事実が
俺と貴方だけの永遠だったらいいのに。
一瞬でも構わない。
胸の奥に仕舞って、他の誰にも覗き見られないで欲しい。
次の大賢者の魂の持ち主は俺達二人をどう語るんでしょうか。
2007.05 thanks you web clap!
人に見られたら恥ずかしいとても大切な思い出を
大賢者の魂を持った方々は問答無用で見られちゃうんだなぁと思ったら
なんだか切なくなってしまいました。
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