健の名前の意味を知らなくても、僕は怒ったりなどしない。
渋谷の名前は元々眞魔国の言葉だし、僕もヨザックの名前の由来なんて知らないし。
それでも意地悪をするのは一重にこのお庭番の情けなさのせいだ。
情けないと言っても、振りをしているだけで本来は頭のいい獣。
どこまでがホントの気持ち？なんて僕がキミに聞きたいよ。
情けない振りしながら、狙われているのが分かるんだよ。
本当はキミの方がずっと強くて大人で、言い返すことも出来るクセに。

「キミは本当に僕が好きなの？」

嘘を吐くときは少しの本当を混ぜないと。
意地悪と綯い交ぜにして投げた言葉もキミには見透かされているだろうか。
それならそれで、どう出て来るのか楽しみだけれど。
キミの青い瞳がギラギラしてるときが好き。
一瞬の怒りに瞳の奥がキツクなって、すぐに消える。
愛を疑われたらイヤだよね、ムッとするよね、キミは僕の為に命を懸けているのに。

「今怒ったね。」
「グリ江の無償の愛をお疑いになるなんてッグリ江哀しい！泣いちゃう！！」

キミはね、普段べらべら話す分、黙っているときの方がよっぽど分かりやすいんだよ。
何となく嬉しくなって笑ったらますますムッとされた。
僕はキミのことが好きなんだなぁ。
「ヨルダンちゃん、おいで。」
「近付くなっておっしゃったのは猊下じゃなーい。グリ江そんな名前じゃないもーん。」
「いいから来なよ。ていうか…………黙って従え、グリエ・ヨザック。」
焦れたのはいつまで経っても僕に牙を剥かないキミのせいだ。
職権乱用と言われようが知ったこっちゃない。
大賢者様になって真っ黒のときが本当の僕だなんてキミも思っちゃいないだろ。

本音が聞きたいなら今すぐ抱き締めな。
許して欲しいなら今すぐキスをしな。
愛を疑われたくないなら、キミしか見えないように僕をメチャクチャに抱けばいいよ。

言葉なんかで謀るより、貫かれた方が気持ちいい。

尻に敷かれてあげるのが攻めの優しさでしょ！
そうでしょ！にゃはは、シャランラー♪（金ス●）

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