あいしてる


「猊下。」

眠りから覚めたらベッドの上からヨザックの膝に頭の位置が変わっていた。
声をかけながらも手が頭を撫でている。
起きた方がいいのか。眠っていた方がいいのか。
ヨザックの身体の方に寝返りを打って腰に腕を回す。
「そんなとこに抱きつくなんてー猊下のすけべー。」
「ヨザックにしかいないから助平じゃないよー。」
女の子の胸ではないので、埋めてもなんら気持ちよくないのだが
僕はヨザックのえらく硬い腹筋に額を押し付けた。
わしわしと頭がかきまわれたのは僕の返答が彼のお気に召したからだ。
僕だって大好きな声で起きて大好きな手で触れて貰えば可愛くなれる。
ふくく、と含み笑いをヨザックのお腹に響かせると大好きな手が耳を擽った。
逃げようとしたわけではないが、腰に巻きつく腕の力を強くして
ぐりぐりと頭でじゃれつく。
「随分とご機嫌ですね。何かよい夢でもご覧になったんですか?」
「…ヨザック。」
「はぁい。」

「あいしてるよ。」



2007.12 thanks you web clap!

2007年、12月31日に更新した拍手SSでした。
大好きな曲から雪原に立つ大賢者を想い、意味なんて繋がらなくてもいいから村田から見える物だけを追わせました。
読み返したら案の定全然分からない文になっていましたが
私の中の村田がスッキリしたのでよしとする!!!

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