sour remark - 意地悪な言葉
「むーらーたー助けてくれー。」
「えー…僕この前も君の仕事処理したんだけどー。」
縋ってくる魔王陛下に一応渋る素振り。
猊下は陛下が自分に頼っているという事実を存分に満喫するまで
その表情と緩い否定を続ける。
そして最終的には、絶対に折れる。
今日も俺と猊下の時間は陛下の溜めた仕事に削られるのか。
国政とどちらが、なんて天秤にかけるほど馬鹿ではないが
毎度仕事を溜め込む陛下は正直少し馬鹿だと思う。
机に詰まれた書類の下半分を取って差し上げている猊下は
正真正銘、疑うまでもなく陛下馬鹿。
仕方ないなぁと言いながら確かにあのときおっしゃっていた、デレデレ。
陛下は大変かわゆうございますねー。
はーっと溜息を吐いて扉へと向かう。
「ヨザ、どこへ行くんだ?」
隊長に止められた俺は振り返りながらハンカチを取り出す。
くるっと回って涙のグリ江ちゃん。
「猊下ったらこの前も陛下のお仕事を手伝うってグリ江との約束を!」
「え?そうだったの!?ごごごごめんグリ江ちゃん!」
これぐらいの意地悪は許されるはずだ。
と思ったら
「うーん、じゃあ今夜は僕を好きにしちゃっていいよー。ムラケン食べ放題で。」
自分の恥を承知でそんなことおっしゃられたら俺だって
折れないわけにはいかないじゃないですか。
拗ねる事すら許されない、猊下の一言はお優しくも意地悪である。
この中で一番得しているのは、やっぱり陛下だ。
2007.07 thanks you web clap!
何気ない日常編?、にしようと思って微妙に(笑)
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