見覚え


あの景色を私は今でも鮮明に覚えている。

「カーベルニフへ?」
母上は金髪を若い娘のように楽しげに指で弄んでいた。
小首を少し傾げてから目を細め楽しげに笑う。
「あちらには貴方と歳の近いご兄弟がいらっしゃるそうよ。」
「…そうですか。」
何をしに行くのですか?とこの母親に問うても全く無意味なことを
その頃から私は知っていた。
どうせ叔父上が何か良く分からない手回しをしに行くだけなのだろう。
親睦に見せかける為に子供まで使うとは。
「それも、妹さんは大層可愛らしくて小さなお花のようだと聞いたわ。グウェンダル。女の子には優しくして差し上げるのよ。」
そんな仏頂面では怖がらせてしまう。
細く美しい指に頬を撫ぜられても、私はその言葉に曖昧にしか頷けなかった。
母上はいつも私を同じ年頃の娘に会わせたがっていた。
興味がないように見えたので心配したのか
人の恋愛でも楽しみたかったのかは定かではない。
しかし、産まれて初めて認識した女性が絶世の美女と謳われる母上で
更に自由奔放に恋愛を楽しむ様を見せ付けられては…。
母上に品がないと思ったことはないが、私の女性に対する価値観が狂っていたのは
母上のせいで間違いない。
「もう一人は男なのですか?」
「えぇ。お名前はデンシャムだったかしら。おっとり話す可愛らしい子だったから煩わしいのが苦手な貴方とは合うかもしれないわね。」
男が饒舌でも胡散臭いだけだ。
俺の興味はどちらかというとデンシャムに向いた。
カーベルニコフの嫡子ならば帝王学を学ばされている自分ともそう差はないだろう。
裏に政治的な物が渦巻いていて、その間だけの親睦だとしても
私は時間を有意義に使いたかった。
何か学べる物があれば学んで帰りたいし、デンシャムと馬が合えば
これからを担う者同士、友人になっておきたいと思った。

今思えば、この頃の私は子供らしくなく全くもって可愛げがない。
コンラートなどまだ可愛い方だったのかもしれない。

「妹さんの方はアニシナよ。水色の瞳がとってもキレイなんですって。」
「はぁ…そうですか。」
美しいものはどんなものでも好きな母上のうっとりとした表情も
まだ心から美しいと思うものに出会ったことのない私には理解し難かった。



***



フォンカーベル二コフ卿は、予想の範疇過ぎて何か私をげんなりさせた記憶がある。
何故、商人気質の当主は小柄で割腹がよいのだろう。
通された部屋の装飾は血盟城ともヴォルテールの城とも違っていた。
当時の私はカーベルニコフの納税額の凄まじさの理由を知りたいと思った。
街の者は無理な税を搾り取られているようには見えない。
節約を徹底して小金を稼いでいるようにも見えない。
それなりに豊かで満たされているのに、何故あんな多額の金が用意出来るのだろうか。
裏取引や危ない薬の売人が潜伏しているという噂もカーベルニコフには皆無だ。
「申し訳ありません。デンシャムは経営学を学ばせている最中でして。あと半刻ほどで済みますので。」
フォンカーベル二コフ卿の声に巡らせていた思考を停止させ、いいえと小さく首を振る。
「お気になさらずフォンカーベル二コフ卿。私共が予定より早く着いてしまったのですから。」
「アニシナはそこらで花でも見ていると思うのですが…。」
「まぁ。なんて女の子らしいこと。」
行ってご挨拶して来なさい。母上の微笑みはそう私に促していた。
私は女には興味がなかったが、子供が席を外さないと出来ない話もあるだろう。
礼をしてから退室し、カーベルニコフの従者に付き添われ
私はアニシナが居ると思わしき丘へ向かった。

今の時期は黄色の花が咲き乱れていて丘は美しかった。
少し摘んで帰ったら母上はお喜びになるだろうか。
母上が他の女性より美しいと思う点は、心を込めてお贈りした品ならば
その値段や希少価値などは全く関係なく心から喜んで下さる所だ。
形のよいものを選んで持って帰ろう。
アニシナのことを後回しにしようとしたとき、私はタイミングの悪い事に
アニシナらしき人影を発見してしまった。
赤毛が草むらの中でしゃがんでいる。
見つけてしまったものは仕方ない。声をかけるとしよう。



「失礼…。」



世界が動いた。



私の中の色々な概念が、振り向いた幼いアニシナを見た瞬間に打ち壊されたのを覚えている。
心臓は止まったようだったのに、世界は急速に色を変えた。
白いドレスの裾が風に遊んでいる。
燃えるような赤毛は彼女の印象と共に私の心に深く衝撃を与えた。
花を何本か束ねる手は小さくて頼りない。

…可愛い。

頭の中で、その単語が浮かぶと私は妙に焦った。
水色の瞳を瞬かせ、小さなアニシナが私の言葉を待っている。
声をかけておいて何も言わないのは不自然だ。
「突然声をおかけてしてしまい申し訳ありません。私はフォンヴォルテール・グウェンダルと申します。」
「…陛下の、第一王子ですか。」
「は、はい。」
魔王の第一子である自分の存在は広く知れ渡っているもので
彼女が以前から自分に興味を抱いていたわけではない。
しかし、名を知られていたという事実がそのときの私には酷く嬉しかった。
「よろしくお願いします、殿下。私はフォンカーベル二コフ・アニシナ。どうぞアニシナとお呼び下さい。」
白い服の裾を持ち、ぺこりと頭を下げた彼女は声も可愛らしかった。
大きなガラス玉のような瞳に再び自分が映し出される。
歳は少し下だろうが、それを抜きにしても彼女は周りより発育がよくないようだった。
否、父親であるフォンカーベル二コフ卿が小柄だったので遺伝なのかもしれない。
「殿下がいらっしゃるのはもう少し遅い時間だとお聞きしていましたので…。」
「いいえ。私達が早く着きすぎたのですから。あの、私のこともグウェンダルとお呼び下さい。」
私が誰かに名を呼ばれたいと思ったのは恐らくこれが初めてだっただろう。
アニシナの可愛らしい声で、私は名を呼ばれたかった。
ことり、とアニシナは首を傾げた。
「よろしいのですか?」
「地位や力があるのは母上で、私ではありません。」
言い訳を考えたことがなかった私はその頃密かに気にしていたことを
ポロリと口から出してしまった。
皆が私を特別扱いにするのを、王の子なのだから仕方ないと思いつつも
私は私として見られたいと反抗期らしく思っていたのだ。
ただ、口に出してからは後悔した。
可愛いアニシナに変わり者だとか子供っぽいと思われるのではないかと
大変に焦った。
「すみません。今のは…。」
「私もそう思いますわ。」
「え?」
「私は私。私の価値は私自身にある。」
「…はい。」
「デンシャムも頷いては下さいますけど、あれは私を傷付けまいとしているだけで本心ではありませんの。」
束ねていた花の一輪だけをくるりと回し、花を唇に寄せる。
口付けではなかったと思う。
ただなんとなくそうしただけなのだろうが、私には酷く愛らしく見えた。
「自分からおっしゃったのですもの。貴方の言葉は本物なのでしょうね。」
とアニシナは面白そうに笑った。
ふと見ると、白く小さな足は靴を履いていなかった。
忘れたとは考え難いが、傷付いてしまわないかと心配になったので聞いてみる。
「靴はよいのですか?私の物では大きいと思いますが…よろしかったら。」
「靴を履け、とは言わないのですね。」
ふふ、とまたアニシナは微笑み裸足で小さく跳ねて距離を取り、裾を翻して振り返る。
白い足が土で汚れていたが不思議と汚いとは思わなかった。
それよりも私はアニシナの問いに答えたかった。
「…何か理由があるのではないのですか?」
「えぇ。この方が色々と分かる事がありますの。」

土の感触。草の匂い。
私にはこの程度しか思いつかなかったが目の前のアニシナ嬢には
きっと他の者では感じ取れない素晴らしい何かに触れられる力があるのだと思った。
私の納得した様子にアニシナは微笑み、歩を進めた。
「殿下は…グウェンダルは私が思ったより素敵な殿方ですわ。」
「そんなことはありません。」
アニシナに褒められたのは嬉しかったが、王子としての失言があったと思っている私は迷うことなく否定した。
それより先に、出会ったときに女性に対する褒め言葉さえかけられなかった自分が女性に気に入って貰えるハズがないと思ったのだ。
アニシナの方が思ったよりよっぽど素敵です、と言えたら良かったのだがあまり口が達者でなく女性に慣れていない自分には思うだけで口に出す事が出来なかった。
自分の言葉を否定されたアニシナは特に気にする様子もなく
謙虚なのですね、と一言返してその話をやめた。
女性は皆、話が好きで聞いて欲しがるものだと思っていたがアニシナは必要以上に話すことはなかった。
気に入った花を見つけてはしゃがみ込み、よくよく見てから手に取り、ときにはやっぱり違うと見るだけで終わったりもした。
形がいいと思った花とは違う花を手折る彼女にグウェンダルは何が基準だろうと考えた。
食用にしても形を重視したほうが見栄えがいいように思うのだが。
私は考える前から人に聞く事は嫌いだった。
そうすると癖になって何も考えなくなりそうだと思っていたからだ。
私が手元の花を見て考え込んでいるのが分かったのだろう。
アニシナは色の濃い花を指で差した。
「染め物をしようと思っていますの。」
「染め物、ですか。」
そうか。染め物か。淡い黄色が出てアニシナに似合うに違いない
引っかかっていた事柄が解決して私は思わず頷いた。
「グウェンダル。」
「何でしょう?」
「この花をご存知かしら?」
しゃがんだまま見上げているアニシナの言葉に誘われ、傍らに自分もしゃがみ込む。
桃色と紫の中間のような色をした小さな花が咲いていた。
花弁は5枚、円形の葉には浅く不規則な鋸歯がある。
母上の熱狂的な信者が山で採ってきて捧げていたように思う。
「シザノコナクラだと思いますが。」
「花にも詳しいのですね。」
「いえ…以前母上への献上品にあったものですから。」
本当は母上のせいで他の花の知識もあったが、男が花に詳しいのは
恥ずかしいと思ったので否定しておいた。
否定したはしたが、嘘を吐くことが苦手だった私は結局軽く自白した。
「男が花に詳しいなんて、おかしいですね。」
「そうですか?なんでも知識があるのはいいことですわ。男も女も関係ありません。」
花の上辺を人差し指で少しだけ撫ぜてアニシナは花を摘まずに立ち上がった。
「グウェンダルは靴も履かないお転婆の私を女らしくない、おかしい、と思われますか?」
「いいえ!靴を履かずともアニシナはとても魅力的だと思います!」
こんなに可愛いのに何を言っているのか。
私のせいでアニシナが自分を卑下する台詞を言ったのかと慌てて言葉を紡いだ。
思ったより勢いがついてしまって、言った後に顔が熱くなるのが分かったが
アニシナはまた面白そうに微笑んでありがとうございますと礼を言った。

アニシナは優しく、とても心の広い女性だと思った。
男や女なんていう枠はアニシナには必要ない。
魔族としての美しさを彼女は身に着けている。

煩く喋りたてないし、押し付けがましくも、弱さを強調して甘えたりもしない。
でも小さくて可愛くて儚くて、嘘偽りがなくて無邪気。
どきどき、と胸の辺りが息苦しくなって、私は気付く。
それがこんなにも自然に訪れるものだとは思わなかった。

恋。

もっと劇的で、大人のものだと思っていたけれど
この胸の疼きは恋に違いない。
ひと目惚れという言葉は理解出来ないと思っていたが、確かにあった。

世界が動き出す。

私の知らなかった世界が一気に広がった。
先ほど会ったばかりのアニシナが早くも大切な存在になって
何か優しくしなければと思う。
「もっと集めるのでしたら、今お持ちの花を持ちましょうか?」
人の荷物を持ってあげたいとはこういうことか。
どきどき、と彼女の言葉を待つ間、私は母上の言葉を思い出した。
人を好きになると、優しくなれるのだと。
だから、恋は素晴らしいのだと。
母上が煌いているのは母上が本来持つ美しさからだと思っていたが
恋を知った私には、それが恋のせいなのだとようやく分かった。
「いいえ。もう充分ですわ。小さい染め物ですからたくさんは要りませんの。無駄にとるのは嫌ですし。」
キレイだからもっと摘もうとアニシナは思わないらしい。
必要なときに必要な分だけを拝借する。
無駄がないし優しい。
恋を自覚した私はアニシナの言う事全てが素晴らしいことのように思えた。
「でも、折角のお気遣いですから半分だけ持って頂いてよろしいかしら?」
「はい。」
小さくて温かい手が一瞬触れて、離れる。
私はそれが嬉しくて、照れ臭くて、裸足で草むらを歩くアニシナに手を差し出せなかった。
何もかもが不器用で不慣れで、十歩進んでようやく手を差し出すべきだと気付いたが
逃してしまった機会にただ心の中で慌てるしかない。
アニシナは全く気にしていない。恋をしたのがアニシナ嬢で良かったと本気で思った。
「あ。」
「?どうなさいました?」
「枝が少し足を引っ掻きましたの。でもどうってことありません。」
小さな足に、すっと赤い線が走っている。
滲むだけで血が滴ってはいなかったが従者がすぐに駆け寄ってきた。
ちなみに私はこのときまで従者の存在をすっかりぽんと忘れていた。
「アニシナ様、ですから靴をお履き下さいといつも申しておりますのに!」
「放っておけば治ります。」
「女性がそのように言ってはなりません。」
「軍属の女性はどうなるのです?」
「アニシナ様は軍属ではありません。」
うんざりしたようにアニシナの可愛らしい顔が曇った。
私は男なので。このような些細な傷程度で叱りつけられることはなかった。
女性は色々と面倒だ。
「よいのではないですか?これぐらいでしたら傷も残らないでしょうし。」
「殿下。」
つまらなそうにお小言を受け流していたアニシナが
私の言葉にきょとんと目を丸め嬉しそうに微笑んだ。
彼女のよさは大らかさなのだから無理にしおらしくする必要はない。

「えぇ、そうですとも。私は大丈夫です。さぁグウェンダル。参りましょう。」

少しだけはしゃいだように言って。
アニシナは私に手を差し出した。

この手に自分の手を重ねてもいいのだ。
目の前に出された小さくて白い、護ってやりたい手に
ごくと唾を飲み込んだのは緊張からでやましい気持ちのせいではない。

ゆっくりと差し出された手をとろうとしたとき
遠くから誰かがアニシナを呼んだ。



「おーい、アニシナァー殿下ぁー。」
「デンシャム。」
「兄君ですか?」
「えぇ。我が兄、フォンカーベル二コフ・デンシャムですわ。」
差し出されていた手が降ろされ、ガラス玉の瞳は
丘をゆっくりと歩いてくるデンシャムに向けられる。
赤毛で同じく水色の瞳だが、デンシャムの方はもっと人の良さそうな印象だった。
目の前に来るとやはり彼も平均より身長がなかった。
「初めまして殿下。フォンカーベル二コフ・デンシャムです。妹のお相手ありがとう御座います。」
「フォンヴォルテール・グウェンダルです。私の方こそアニシナ様とお話出来て光栄です。」
「良かったねぇアニシナ。あ、僕のことはデンシャムとお呼び下さい。」
私の言葉にデンシャムはにこ、と微笑みアニシナの肩をそっと抱いた。
「父上達が皆でお茶をと呼んでおります。僕はアニシナに足を洗わせて行きますので殿下は先に。この者に案内させます。」
「一人で構いませんわ。」
「まぁまぁアニシナ。たまにはお兄ちゃんの言う通りにしてよ。」
一瞬、デンシャムの肩に乗る鳥の目がギロっと自分を睨んだ気がするが気のせいだろうか。
デンシャムはアニシナとは違った大らかさを持っているようだが
彼の雰囲気も私を不快にはさせなかった。
「そうですか。ではアニシナ、デンシャムのちほど。」
「はぁい。すいません。」

妹の足に手を当て、彼女が不機嫌になるにも構わずデンシャムは
治癒魔術を施していた。
過保護だな、と思ったが生まれたばかりのコンラートを愛しく思う自分を振り返り
更にはあれだけ可愛い妹君ならば無理もないと考え直した。
別れは一時だろうに、私の心は今生の別れでもするかのように痛んだ。
世界に二人だけのような錯覚を起こしていた時間から覚め
アニシナの周りには彼女にもっと近い者がいるのだと認識させられ
あのとき手に触れられそうになったのは奇跡のように思えた。

「グウェンダル!」

だから、あのとき小さなアニシナに呼び止められたとき
私の心は決まってしまったのだ。

「私が行くまで、お菓子を食べないで待っていて下さいませ!」



私は彼女と結婚したいと思った。



***



「キレイだねーアニシナ。」
「グウェンダルの台詞を先に言ってどうするのです、デンシャム。」
「妹取られるんだからこれぐらいの嫌がらせいいと思わない?」
「これだから貴方という男は。」

ふわ。とアニシナのドレスの裾が揺れる。
窓から入る木漏れ日が白いドレスに柔らかく反射して
アニシナも美しく煌かせた。

「アニシナ、これを。」

私が差し出した花束に、アニシナは面白そうに目を細める。
両手で受け取り、その中の一輪をあのときと同じように唇に寄せた。
「覚えていたのですか?」
「忘れるものか。あのときから俺は誓っていたのだから。」
私が憮然とした顔で言うのがおかしかったのだろう、アニシナは目を細めた。
アニシナを天使のようだと思ったことが間違いであったのは
のちに嫌と言うほど思い知らされたが、私は結局、今日に至る。
小さくて可愛い顔を殴るのは気が引けたので、俺を殴れと言ったら
力加減を全く知らない強さで引っ叩かれた。
「私も、あのときから誓っていましたわ。グウェンダルを伴侶にすると。」
「きっと初恋だよねー。アニシナがさ、殿下のような殿方には会った事がないって僕に一晩中聞かせてくれたっけ。」
「えぇ、名はきちんと先に名乗るし、見えすいた世辞も鬱陶しいお喋りもしない、博識で、落ち着いていて、優しくしてくださるときも決して押し付けがましくない。正に幼い私の理想でしたもの。」
「…私は。」
「分かっております。あの頃の貴方はただ不器用で、お世辞も言葉も出てこない。押しつけようにも気の利いた台詞が言えなかっただけなのです。」
「お前こそ…花の名を聞いたのは俺を試していたのだろう。」
くすくす、と黄色の花束を手にアニシナが肯定して笑う。
肯定して、あの頃のトキめきの大半が勘違いだと確認出来た所で
その先に私達は進んでしまった。
知りながらもなお、恋を振り切れなかったのだ。

「グウェンダル、靴も履かないお転婆の私を女らしくない、おかしい、と思われますか?」
「いや…お前はそのままが一番美しい。」
「あら、随分言うようになりましたのね。」

そう言って、幸せそうにはにかんだアニシナがまた
私の世界を動かしていく。



2008.04.24

この絵から広げました。
絵を塗っている途中で意図せず、アニシナを中心に波紋が広がるような、色が変わるような、そんな感じになったのでグウェンダルの世界を動かしてみました。
もし2度読んで下さるのでしたら、2度目はグウェンダルのどこが
アニシナにヒットしていたのか少しだけ気を付けて
小さなアニシナの気持ちを探しながら読んで頂ければ幸いです。
探して欲しいが為に、色々な表現をあえてカットしてあるので
スカスカした読みにくい文章となりました…///
伝えながら探して頂ける文才を手に入れたいです///