アイデンティティー


  自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること。主体性。自己同一性。「―の喪失」

アイデンティティーを辞書で調べた所、そう書いてあった。
そうすると自分のアイデンティティーは”大賢者”なのだろうか。
村田健の主体性、大賢者。何かげんなりさせる響きである。
握っていたシャーペンを机に放り投げ窓を開けた。
それだったらまだ”渋谷有利”の方がマシだ。
自分は渋谷の為に生まれ、渋谷の為に生きて、渋谷の為に死ぬのだ。
あぁ、しかしそれも大賢者であるが故か。

夜空にひとつ、星に混じって青く光る衛星を見つけた。
「あ、そうだ。」
いそいそと湯をはっていた風呂場へと向かい、下着だけを残し
準備運動をしてから脚を入れる。
途端、ギュンと引き込まれ渋谷有利が言う所のスタツアへ出発。

「ヨザック、君は今日から僕のアイデンティティーだ。」
「アイデ…?奴隷って意味じゃないですよね。」
「さぁねー。」

宿命ではなく自分で選んだ。
どこに行っても変わらない、君への愛を僕のアイデンティティーにしよう。

2007.01.02

うちの村田は好きなことをさして隠さない。