「…お前なんつーカッコしてるんだ」
「この夏は小麦色のセクシームラケンへの大変身を目論み中です。今過渡期なのでちょっと待ってて下さい勝利さん」
待ち合わせの場所に現れにこりと邪気のない笑顔を見せた恋人の本日のファッションは、何を間違えたかノースリに短パン。これから虫取りに行く小学生か何かか。少なくとも隣に連れて一緒に出掛けてやろうという気分にはとてもならない。
「着替えて来い」
「えっ、なんでですか!?」
「何でも何もあるか。高校生になってんなカッコでほっつき歩くな」
「でもそれを越えると小麦色の僕が現れるんですよ、どうですか想像して見て下さい小麦色のムラケンを。そして海でも山でも連れて行って下さい!!」
力強く主張されても今現在勝利の目の前にいるのは学校と塾を往復する不健康な日常を送りろくに太陽に当たっていない白い肌、日頃体育の授業以外で運動する事無い文系のモヤシ体型。脳内で小麦色に補完してみても、あぁ頑張ってるなお前……、程度の感想しか出て来ない。健康的なスポーツ少年の解釈を間違えているというか、そもそもそういうタイプでは無いのでそれっぽい服を持っていないのか。あぁそれだ。彼は付いていけない程の感性を発揮してしまう事がままある。
「お前には白い肌の方が似合ってるんじゃないか?」
「……勝利さんも痛い所を突いてきますね」
「自覚はあるんだな。ならなんでいきなり小麦色に目覚めたんだ」
「勝利さんが砂浜にさしたパラソルの下で日焼けにいそしむ美少女の画像をにやにや見つめていたからです」
「……確かに青い海と白い水着と小麦色の肌のコントラストは絶妙だった。が、そんなお前に分相応という言葉を送ってやる」
「でもたかがギャルゲのイベント画像に嫉妬して背伸びしちゃった恋人って可愛くないですか勝利さん」
「あぁ可愛い可愛い」
「もっと心を込めて下さい、そんなんじゃとても僕のハートをつかめやしませんよ」
「そんなに積極的に掴みたい代物でも無いからな、仕方ない」
「あぁもう素直じゃないな勝利さんてば。可愛い僕を海に連れて行ってあげたくなったって言えばいいのに」
「素直に海に行きたいから一緒に行きましょうと言えれば行ってやらん事も無い」
「勝利さんと海に行きたいです」
「お前は駆け引きという言葉を知らんのか」
「そんなものより勝利さんと海デートの方が大事です。僕は砂浜に大きく勝利さんとの相合傘を書きたい」
「それを聞かされて俺がうきうきとお前を海に連れていく気になると思うのか?」
「分かりました、ここは僕が譲ります」
珍しく殊勝にも一歩引いた村田に、勝利は片眉を上げる。引いたからには次にはまともな言葉が出てくると期待はしない。所詮相手は村田健だ。
「相合傘は勝利さんが書いて下さい、僕はそんな勝利さんを見つめています」
やっぱりそんな所か。
「書かないぞ」
「えー。波で消える度に書き直すんですよ、勝利さん。うきうきしてきませんか?」
「シチュエーションそのものにはうきうきしても相手はお前なんだろ」
「当然です」
妄想の中でくらい美少女が一緒に海に行ってくれればいいのに、なぜか脳内映像まで隣にいるのが村田健で浮かんできた。美少女に変換しようとするのに村田健が纏わりついて離れない。
世も末だ。
「……今度の週末でいいのか?」
「はいっ」
一応スケジュールを確認してみると、村田が腕にぎゅっとくっついてくる。
暑苦しいなと思いながら、勝利は可愛く笑う村田の頭を撫でてみた。
2008.07.02
油断してた…これ、メール来てたのは上記のとおり2日なんですが
気付いたのは『5日』でした!!!!!!!ご、ごめんなさっ!!!
もうっこれがあれば私、もっと元気に週末を迎えてただろうに…!
猊下のタンクトップとか目に毒だと思います。似合ってなくてもいいじゃない!
ムラタケンという存在が可愛ければいいじゃなーーーーいvvvvvv
瀬高様ありがとう御座いましたぁぁぁ!!!
「・水陸両用・」
気付いたのは『5日』でした!!!!!!!ご、ごめんなさっ!!!
もうっこれがあれば私、もっと元気に週末を迎えてただろうに…!
猊下のタンクトップとか目に毒だと思います。似合ってなくてもいいじゃない!
ムラタケンという存在が可愛ければいいじゃなーーーーいvvvvvv
瀬高様ありがとう御座いましたぁぁぁ!!!
「・水陸両用・」