「お泊り!?」
いきなりご近所迷惑な叫び声を上げた兄に、有利は不愉快そうに眉を寄せた。
「ゆーちゃん!! 週末に外泊だなんて、お前はいつからそんな不良に…」
「いや、村田のうちに泊まりにいくだけなんだけど」
「あぁ…俺の育て方が間違っていたんだろうか………」
「お前に育てられた覚えはない。てか、おれの話聞けよ」
「先方のご両親の許可はとってあるのか?」
「どっちも留守だから、村田一人じゃさびしいだろ? だからおれが泊まりにいってやろうと思って」
「ご両親がいない!? だから一人じゃ寂しいから泊まりに来てと、お友達が言ったのかゆーちゃん!?」
弟のお友達め、可愛い顔をして小悪魔な。純情なゆーちゃんを誑かそうとはいい根性だ。
二人きりだね…渋谷。
夜中しんと静まり返った家。盛り上がった会話がふと途切れる。
渋谷。僕がオトナの階段をのぼらせてあ・げ・るッ。
………村田、おれ、おれっ!!
「だーーーーっ!!!!!」
「いきなり叫ぶな勝利っ!!」
いやんな妄想が脳内で炸裂し勝利の血液が沸騰する。
冗談じゃない、冗談じゃないぞ弟のお友達。
「という訳で、おれ村田のうち泊まりにいってくるから」
「ゆーちゃん!! 何か間違いがあったらどうするんだ!!」
せめて渋谷家にお泊りにしてくれればその光景を上手い事視聴するチャンスもあったかもしれないのに。こんな千載一遇のチャンスが目の前で流れていってしまうなど。
くっ、今からアキバで盗聴器を買ってくるまでゆーちゃんは待っていてくれるだろうか。
「なんで村田のうちに泊まりにいく程度でそんな反対されなきゃならないんだよ」
「ならば聞くが、ゆーちゃん、お友達のうちに泊まりに行ってご両親のいないスキにナニをするつもりだ?」
「何って、ゲームしたりDVD見たりとか」
「とか?」
「あぁ、一緒に風呂に入ろうって言われたかな。村田の家の風呂ジェットバスなんだって」
「一緒に風呂!!??」
渋谷、一緒にお風呂入ろっか。
やだなぁ、渋谷。そんなにじろじろ見ないでよ。恥ずかしい。
うん、でも……渋谷にならいいかな。
「ダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだぁぁぁっっっ!!!!」
勝利の腹の底からの叫びに有利がさすがに一歩引く。
いや、はたから見たら一歩だが、彼の心を覗けるならば今すぐ兄弟の縁を切りたい程に数万歩は引いているのが見えるだろう。
が、残念ながら勝利にそんな能力は無い。
彼にあるのは弟へのまっすぐな愛だけだ。
「おふくろ。勝利に何か言ってやってくれよ」
困ってとうとう母親に縋った有利に、まだまだゆーちゃんは子供ねぇと微笑んでジェニファーが振り向いた。
「しょーちゃん。ゆーちゃんと健ちゃんに間違いが起きたっていいじゃないの」
「何っ、おふくろまでゆーちゃんを間違った道に進める気か!?」
「その代わりゆーちゃん、間違いがあったらきちんとママに報告してね。事細かに」
「は、おふくろ?」
「ナイスアイディア、さすがおふくろ!!」
勝利とジェニファーが二人心を一つにして有利に笑顔を向ける。
反論など許さない。
「え……いや……決定!?」
2007.09.10
合宿中バトルの記念すべき第一本目ですvここからバトルが始まった!!
相手は勿論「・水陸両用・」の瀬高透さまです!
驚きですよ、私の隙を突いての攻撃。しかも先陣切ったのが勝利。
流石は勝利を産んだ方、ナチュラルに腐ってますねー(笑)
吉田は「間違いが起きたっていいじゃないの」という台詞がツボで数分笑い続けました。
驚きと笑いをありがとう御座いましたぁあ!!
相手は勿論「・水陸両用・」の瀬高透さまです!
驚きですよ、私の隙を突いての攻撃。しかも先陣切ったのが勝利。
流石は勝利を産んだ方、ナチュラルに腐ってますねー(笑)
吉田は「間違いが起きたっていいじゃないの」という台詞がツボで数分笑い続けました。
驚きと笑いをありがとう御座いましたぁあ!!