突発大学生幼馴染 恋敵編


出かける先は近所の公園。
毎日学校の行き帰りに通りかかる、そしてたまに恋人と甘い寄り道をしたりする見慣れた公園ではあるのだが、天気のいい休日の昼に来るとまた違う感慨がある。
手には可愛い恋人の手作り弁当。荷物持ちにさせられている事くらい分かっているのだが、それでも恋人が張り切って作ってくれたそのお弁当の重みは心地いい。
芝生の上に座り込んでランチョンマットを広げると、かいがいしくヨザックがお弁当を広げてくれる。
「手伝うよ、ヨザ」
「おぉ、さんきゅーコンラッド」
雑なように見えてこういう時にはきれいな並べ方にこだわったりする一面も見せる彼のために、サラダはこちら、唐揚げはこちらと丁寧に並べていると、ふいに彼の手がお弁当箱の側から消えている事に気づいた。
「ヨザ?」
視線を上げると、目の前には大きな犬。
何をしているのかと思ったら、ヨザックはいつの間にか見知らぬ大型犬を抱きしめていた。
首輪がついているから飼い犬だろう。この公園は犬の散歩コースにもよく使われている。
「可愛いなぁお前」
初対面の犬にまで懐かれじゃれつかれている恋人は正直可愛い。犬よりもよほど。
わんわんと返事をしてヨザックに鼻を寄せるこの犬は、きちんと恋人の可愛さが分かる良い犬なのだろう。
犬にしては見る目がある。うん。
「わっ」
犬までも魅了する恋人を微笑ましく見つめていたその時、犬がヨザックの唇を舐めた。
「なんだお前、さすが飼い犬は懐っこい…」
まだも犬に向かって楽しそうに笑いかけるヨザックは、途中ではたと気づいてこちらを振り向く。
「コンラッド……一応言っとくが今のは不可抗力…」
「よくも俺の眼前で俺の恋人の唇を奪ってくれたな。いい度胸だ駄犬!!」
「恥ずかしいから犬相手に切れるなコンラッドっ!!」
「ヨザ……すまなかった、俺が側についていながらこんな目に……」
「え、オレいつの間にキズもの……?」
「駄犬、俺のものに手を出したからには覚悟は出来ているんだろうな」
唐突な昼ドラ展開についていけないヨザックを尻目にコンラッドは犬、もとい恋人の唇を奪った憎き恋敵に向き直る。
ゆらりと立ち上がった獅子の通称を持つ男の恐ろしい殺気に、さしもの恋敵も一・二歩後ずさり……そして勢いよく尻尾をまいて逃げ出した。
「全く、その程度の覚悟でヨザに手を出そうとは」
「いや……あのワンころ、これで人間嫌いになったりしなきゃいいけどなぁ……」


2007.08.21

にょほほーいv瀬高様が吉田の文の続きを書いて下さいましたvvv
あ、私の文は瀬高さんのサイトにアプされています。
自サイトにアプされてないカプがあちらにわんさか存在しているというおかしな状態、ははは。
次男がバカでいいですねー…ヨザバカっていうかヨザに会う以前にバカ属性なんじゃないかと
うっかり疑いそうになるこの強さが大好きです(褒め言葉)
瀬高様ほんっとうにありがとうございます!!